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夢の中・1

「これは夢だわ。」
ミユキは夢の中で瞬時にそう悟りました。それは周囲を見渡せば一目瞭然でした。ミユキは宇宙空間に一人ポッカリと浮かんでいたのです。
「無重力って案外気持ちいいものね。」
ミユキはぼんやりとそう思いました。まるで海の上に浮いているように、ミユキはあおむけになってゆらゆらと宇宙空間をさまよっています。もっとも宇宙には上下左右の区別はありませんから、ミユキの姿勢があおむけなのかうつぶせなのか、誰にも決めることはできません。ただミユキ自身の感覚では、あおむけになって浮かんでいる気分だったのです。
宇宙空間に浮かんでいながらミユキは特別な宇宙服を着ているわけではありませんでした。昨夜眠りについた時のパジャマ姿のままです。ただ周囲は限りない静寂に包まれて、コトリとも音はしませんでした。夢の中だけに正しい設定と間違った設定が入り交じっているようです。それでもミユキは夢の中だとわかっているので、特に気にすることはありませんでした。
「それにしてもここではどうやって移動するのかしら?」
ミユキは背泳ぎの要領で腕を回転させて足をバタつかせてみました。するとゆっくりですがミユキの体は動き始めました。そこで今度は平泳ぎを試してみると、まどろっこしいぐらいゆっくりとしたスピードで前に進んで行きます。ミユキは楽しくなって、いろいろな泳ぎ方を試しながらしばらくの間、宇宙空間を泳ぎ回っていました。それでわかったことは、泳ぎ方で進むスピードは変わらないということでした。そもそも水も空気もない宇宙空間で泳いで移動できること自体がおかしいのですが、これも夢の中のこととわかっているので特に気になりませんでした。



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11月 26th, 2011  in 未分類 No Comments »